中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3863回
所得を発生させずに資産をつくるのが第一

その時代に合ったビジネスをうまく見つけて大事業家になれば、
もちろん、お金も儲かるようになります。
でも戦後の税法は累進制度を採用するようになり、
所得が上がれば上がるほど税率も高くなるので、
まともに税金を払っていたのでは
そんなにたくさんのお金は残りません。

私が40何年前に日本経済新聞に「ゼイキン報告」の連載をした時は、
最高の税率は93%でした。
実際には多少の払い戻しがあって
90%しか課税しなかったそうですが、
松下幸之助さんが1年に10億円稼いで最高所得者になって
新聞記者から感想をきかれた時、
「10億円稼いで9億円税金を払ったというよりは、
お国のために10億円稼いできたから、
お前にご褒美として1億円やるという感じですね」
と答えていたのがいまも印象に残っています。

また相続税の最高は70%でしたから、
どんな大金持ちでも、相続が3代続くと、
100億円がたったの3億円になってしまいます。
大事業家の事業は大抵が上場会社ですから、
3回も相続をしたら、100億円の持株が3億円に減って
後を継いだ息子や孫が会社の社長を続けて行ける道理がありません。
それなのに東急の社長も西武の社長も
ちゃんと跡取りが息子さんでしたから、
これには何らかの隠し玉があると考えるよりほかありません。

一口で言えば、まともに税金を払わないですむ、
何らかの抜け道があるということです。
色々調べて見た結果、私が得た結論は一言で言えば、
「所得を発生させずに財産をつくる法」を身につけて、
それを実行に移した人だけが大金持ちになったし、
また自分の子孫に後を継がせることができたのです。

でもそういう合法的な節税方法に辿りつく人は
指折り数えるほどしかありません。
大抵の人は「隠し金」をつくることを先ず考えます。
多くの人から相談を受ければ受けるほど、
またその実体にふれればふれるほど、
私は世の中に巨大な「隠し金」があることに気がついたのです。


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2010年10月7日(木)

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