中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3865回
私鉄の経営者が大成功した財産づくりの方法

裏金は人に知られたくないお金ですから、
本当にどれだけあるか誰にもわかりません。
税務署に知られたくないだけで、
家族にも知られたくない人も結構たくさんいます。
そういう人が突然、死んで相続税の申告をすると、
税務署も遺族が申告した財産のほかに隠し金はないかと
あれこれさぐりを入れます。
遺族が知っていて、税務署の知らないお金なら、
遺族も「知りません。存じません」で押しとおすでしょうが、
遺族も知らない隠し金となると、
見つかれば遺族も分け前に預かるわけですから、
隠し金探がしに遺族が協力するという
笑うに笑えない場面もあります。

でも裏金は一ぺん裏に廻わると、表に出して使えませんので、
値上がりする不動産や株を買うのに使えなくなります。
ですから合法的な節税の方法に切り変えることを私はすすめますが、
今なら「日本の非居住者になる」とか、
「一生を永遠の旅人」に切り替える方法もあるでしょう。
それが40年前だと、
「所得を発生させずして財産をふやす方法」
くらいしか考えられませんでした。

先ず所得を発生させると、所得税を免れることができません。
免れようとすると、脱税の罪を着せられます。
ではどうやったら所得を発生させないで財産をふやせるかというと、
借金をして土地を買えばよかったのです。
但し、それは借金をオーバーして財産としての土地が
ドンドン値上がりすることが大前提です。

たとえば1000万円で買った土地が1億円に値上がりしたとします。
日本の銀行は1億円の土地を担保に入れたら
その7割にあたる7000万円を貸してくれます。
その7000万円を使ってまた土地を買い、
それが7億円になったら、その7億円の土地をまた担保に入れて、
4億9000万円を借りてまた土地を買うのです。
もちろん、借金の元利の返済のための算段が必要ですが、
そうなったら、土地が値上がりする度に
含み資産が厖大にふくれあがります。
西武も東急も、
その他の電鉄会社もそうやって資産形成をしたのです。
元利の返済は電鉄の配当金などでやりくりをするか、
値上がりした土地のホンの一部を売れば間に合います。


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2010年10月9日(土)

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