中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3867回
「十年一昔」に真剣に対応する必要が

人が生きて行く上でとても大切なことの一つは
自分が楽しいと思う仕事を見つけることができるかどうかです。
とてもお金が儲かる仕事である必要はありません。
自分を立身出世させてくれる仕事である必要もありません。
誰もが大金持ちになれるわけでもありませんし、
誰もが立身出世するわけでもありません。
ですから自分が心の満足を得られればそれで充分なのです。

しょっちゅう職を変える人があります。
面白くなかったり、自分に合わなければ、
職を変えるのは不思議なことではありません。
でも辛抱強くないと、仕事が面白くなることは先ずないし、
いつも職を変えていると、仕事のプロに一生なれないし、
出世をするチャンスもなくなります。
ですから何が自分に向いているのか、
自分でよく考える必要があるし、逆に自分に向いていない仕事でも、
自分の方から好きになるように努力すれば、
自分に向いた仕事になることもあり得るのです。

しかし、お金の儲かる仕事は何かということになると
話は全く違います。
時代によっても違います。
世の中は川の流れのように
片時も休むことなく変化して行くからです。
封建時代は流れがゆるやかで、そんなに変化が激しくなかったので、
親代々の家業を継いでもメシが食って行けました。
それが資本主義の社会になると、
だんだん流れが激しくなって、戦後の日本では
一つの事業が30年もてばよしとしなければならない時代に
変ってしまいました。

30年は人の一生で言えば働き盛りに相当します。
30才近くでスタートして60才前後まで頑張ったら、
人は一生賭けて自分なりの仕事を大事業に仕上げることができます。
あとのことまで心配しないことです。
ところが、最近の世相を見ていると、
「十年一昔」になってしまっています。
10年で今までやっている仕事が一巻の終りになってしまうとすれば、
私たちはどうしたらいいのでしょうか。
今やそういう時代に入ってしまったようです。


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2010年10月11日(月)

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