中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3875回
今は途中下車でも生きて行けます

最初に選んだ仕事がその人の一生を左右することは
意外に多いようです。
ですから、放送局、銀行、
ファッションの会社と言った応募の仕方をする新卒は
無定見の標本みたいなもので、
自分が何をやりたがっているのか、自分は何に向いているのか、
全然、わかっていないというお手本みたいなものです。

そういう無定見な人でも採用されてどこかの会社に就職すると、
それぞれの部署に配属され、仕事を覚えさせられます。
その仕事が一生の仕事ということではもとよりないし、
会社の都合であちこち転勤させられることもあります。
どこの部署に配属されても、仕事に熱心な人とそうでない人、
仕事の要領のいい人とそうでない人はすぐにわかるし、
それによって出世のスピードにも違いが生じてきます。

もちろん、仕事には向き不向きがあります。
どうしても不向きな仕事の場合は職を変えることになりますが、
どの仕事も不向きな人は転々と職を変えることになり、
一生、大したこともやらないでおしまいということになります。

仕事を変えればうまく行くようになる人もあれば、
はじめは大して馴染まなかった仕事でも、
努力しているうちに仕事が好きになり、
それが一生の仕事になる人もあります。
しかし、大半の人は最初に乗りかかった仕事が機縁になって
次の仕事や人間関係につながって行きます。
やがてそれが独立自営のきっかけになったりすることもあります。
ですから、どこからスタートするかが
本人の一生を左右することが多いのです。

もちろん、それで一生が決まるわけではありません。
電車の切符には「途中下車、前途無効」と書いてありますが、
人生は途中下車しても生きて行く方法も、
立身出世する方法はいくらでもあります。
しかし、途中下車のやり方や次に何を選ぶかを見たら、
この人は将来のある人かどうかは大体、見当がつきます。
「立つ鳥は跡を濁さず」と昔から言われておりますが。


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2010年10月19日(火)

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