中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3888回
コーヒー屋から遂にパン屋まで

雲南省の山の中で折角、
ブルーマウンテンに負けない品質のコーヒーを栽培しても、
日本で誰にも買ってもらえないとなると、
自分でコーヒー・ハウスでもひらいて、
ボチボチ売るよりほかに知恵も浮びません。
幸にも私は北京でも1、2を争う外人向けのマンションをつくって、
北京駐在の外国企業のマネージャーたちが
300世帯ほども住んでいます。
その1階には中華料理屋もあれば、イタリア料理店もありますから、
その中にコーヒー・ハウスをつくるくらいのスペースはあります。

しかし、小なりと雖もコーヒー・ハウスである以上、
コーヒー以外にパンやケーキも売らないわけには行かないでしょう。
私も北京に滞在中は自分のマンションに住んでいますが、
北京のパンやケーキはまだ日本のレベルにはほど遠く、
よその工場がつくった物を仕入れて来て並べるわけには行きません。
コーヒー屋をやるということは
パン・ケーキ屋もやることになってしまいます。

そうなると、誰かプロの人に指導してもらうか、
共同経営者になってもらうよりほかありません。
幸に私が東京で毎月ひらいている邱友会には
さまざまの業種を経営している社長さんたちが
参加してくれています。
邱友会といっても何組もあるのですが、
その中の一つの組で、
「今度、北京にコーヒーの店をつくることになったのですが、
どなたか手伝っていただける人いませんか?」
ときいたら、その場で
「ハイ、私が」とすぐ手をあげてくれた人がいました。

見ると、その人は原田さんと言って、
私が20年も前に
「香港が大陸に呑み込まれてゴースト・タウンになるのではなくて、
大陸の香港化が起ります」
と主張して皆を香港の不動産投資に連れて行った時から
ずっとおつきあいいただいている顔見知りだったのです。
でも原田さんは
「やるかやらないか決める前に
うちの家内と息子を一ぺん中国に連れて行って下さいませんか」
と条件をつけました。
「家族に反対されると仕事になりませんので」
とおっしゃったのです。
「ごもっともです」と私もその場で同意しました。


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2010年11月1日(月)

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