中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3890回
何が大切ってロケーションですね

小売りの商売をやる時、
一番大切なことは何を商売にするかということでしょう。
その次に大切なことは、
どこでその商売をやるかというロケーションの問題です。

私の場合は自分が栽培しているコーヒーを売るためですから、
コーヒー・ショップをやることははじめからきまっています。
しかし、それをどこでやるかについては選択の余地があります。
日本の商習慣では保証金という制度があって
ロケーションによって
保証金の高いところと安いところがあります。
人通りの多い繁華街の中心地で、
ここでやれば絶対にお客が入るというところは
家賃が高いだけでなく、バカ高い保証金を要求されます。

保証金は契約を解除して立ち退く場合は返却してもらえますが、
新しく店をオープンする人はあれこれお金のかかることが多くて、
ベラボーな保証金を払っている余裕がないのが普通です。
ですから大抵の場合、保証金の安いところを選びます。
すると案の定、お客がなかなか来てくれません。
どうしても必要な物を売っていて、
そこに来る以外に手に入らない場合は
どこにあっても心配はありませんが、
たかがレストランやコーヒー店では集まる客の数は知れています。
それでもはじめて店をひらくことは
同じ失敗をくりかえすことになるのです。

うちのQコーヒーの場合は、
最初からうまく行かないことを想定して実験するのですから、
自分の持っている所以外に選択の余地がありません。
自分のところなら家賃の加減もできますし、
うまく行かない場合でも対応の仕方がいくらでもあります。
ロケーションは必らずしも悪くはありませんが、
人通りのある商店街にあるわけではないし、
しかも入口に守衛が立っていて、
お客の姿を見てからゲイトをひらくその奥にあるのです。
こんなところに通りがかりのお客が入ってくるわけがありません。
お客がつくまでにかなりの時間がかかることは
はじめからわかっているので、
はたしてうまく行くものか心配になってしまいます。


←前回記事へ

2010年11月3日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ