中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3891回
次はコーヒー店のチェーン店づくりです

コーヒー・ショップと言っても、人通りの多い商店街ではなくて、
マンションの1階にひらくのですから、
採算に乗るまでにかなり時間がかかる覚悟が必要です。
はたして赤字にならないですむまでに
かなり時間がかかりましたが、
北京にはパン食に慣れた人に満足してもらえるパン屋やケーキ屋は
数えるほどしかなかったし、
一ぺん、ゲートをくぐって入ってくることに馴れた人は
自動車を自由に駐めることもできたので、
1年また1年たつうちに、大使館街にあるパン屋として
何とか成り立つようになりました。

しかし、名はQコーヒー店でも、
またどんなにすぐれたコーヒーを飲ませる有名店でも、
コーヒーを1日に100杯、
お店で飲ませるのは容易なことではありません。
仮りに100杯売れたとしても、1杯が20元か、30元では
家賃と電気代を払っただけでパアになってしまいます。
スターバックスにならできるのに、
どうしてお前のところではできないんだと言われてしまいますが、
コーヒー屋の10軒のうち恐らく8軒にはそれができないのです。
コーヒー店をひらくのは、若い人や女性にとって夢ですが、
夢と現実の間には大きなひらきがあるのです。

幸なことに、私たちの店は
東京でもパン組合の理事長をつとめている方を
パートナーとしてひらいた店ですから、
パンもケーキもお客の評判がよくて、
自分で生産工場を持たない街の喫茶店や洋菓子店から
注文があります。
すると、運送や売れ残りや集金の問題が発生しますが、
なかでも集金は中国の場合、最も切実な問題で、
うっかりすると
商売そのものが成り立たなくなるほどの目にあわされます。
お客から直接お金を引き換えにもらえる商売はいいのですが、
相手がデパートやスーパーでも少しも油断がならないのです。

それなら自分で
店づくりをしたらいいじゃないかということになります。
そう考えてチェーン店づくりに乗り出した時期もありました。


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2010年11月4日(木)

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