中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3894回
コーヒー・ハウスに話を戻すと

話を元に戻しますが、雲南省でコーヒーの栽培をはじめたばかりに、
とうとうコーヒー・ハウスの経営もしなければならなくなり、
1軒目のQカフェ(中国名・邱公館珈琲)を
北京市の外交官街にある私の建てた三全公寓という
外人専門のマンションの1階につくったのは
前にもお話した通りです。

何しろ何でもはじめてやることばかりなので、
尻込みするどころか、みんな夢をふくらませて元気一杯ですから、
どうやればこの事業を成功させることができるかという
一点に集中します。
人事で躓けば、人を入れ替えるだけのことで、
ちょうど中国で新天地をひらきたいと言って
一流会社のコンピュータ関係の仕事を辞めて私についてきた荒木君が
成都でボウリング場の建て直しの仕事をしていたので、
「君、コーヒー屋とパン屋をやらないか」
と有無を言わせず、北京に引っ張ってきました。

おかしな話ですが、コーヒー・ハウスというと、
男女を問わず、若い人が一番あこがれているビジネスの一つです。
嘘と思ったら、ちょっと大きな本屋の書棚を覗いて見て下さい。
料理の書棚に一番たくさん並んでいる本は
コーヒーのいれ方の本よりも、
どうやってコーヒー店をひらくかという経営を教える本です。
そのおびただしさを見て、
私がその道の専門家にハイハイQさんに
コラムを書いてもらったこともあるくらいですから。

どうしてだろうかと何回も首をかしげましたが、
多分、高級喫茶店でコーヒーを飲むのはとても素敵なことで、
店も立派なら、お客もエリートで、
こんな店のオーナーをつとめられればどんなにいいかという
イメージがあるからでしょう。
ですから私が日本で
コーヒー屋さんやりたい人いませんかと呼びかけただけで
想像以上の反応がありました。
しかし、夢は必らず醒めるものですから、
現実にかえると、店を採算に乗せるどころか、
収支トントンまで漕ぎつけるだけでも容易なことではありません。
乗りかかった船は漕ぎ続けるよりほかないのです。


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2010年11月7日(日)

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