中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3895回
喫茶店ほど難しい商売はありません

コーヒー・ハウスが如何に難しいショウバイであるかは、
実際に店をひらいて見たらすぐにわかります。
私たちのように、
ブルー・マウンテンに負けないレベルの
コーヒー豆を栽培しておれば、
当然のことながら
トップレベルのコーヒーを供給することができます。
でもコーヒー店に入るお客でトップレベルのコーヒーを要求する人は
一握りもいないのです。

日本にも「うちは日本一だ」と自称する
コーヒー・ハウスはありますが、
わざわざそういう店を目指して遠くからやってくる人は
数えるほどしかおりません。
そういう人だって
同じ産地のコーヒーだけを狙ってくるわけではなく、
色んなコーヒーを飲み比べますから、
世界中の有名コーヒー豆を買い揃える必要があります。
でもそういう店に間違えて入って来て
アメリカン・コーヒーを注文する人の方がずっと多いし、
コーヒー・ハウスに入って来て、
コカコーラはないか、カレーライスはないかときく人は
後を絶えません。

その上、4人分のスペースを一人で占領して、
店が満員になっても平然と頑張っている人は後を絶えないし、
最近だとパソコンをひらいて何時間も粘り続ける人は
珍しくありません。
それでいて、お客がドタドタと入ってくる時間は
1日中で何時から何時までと大体きまっていて、
あとの長い長い時間は空のまま放置されているというのが
喫茶店なのです。

そうは言っても、駅前の通りとか、
人のたくさん集まる繁華街のコーヒー・ハウスは
いつも人で一杯じゃないか。
立ち飲みのコーヒー店だって
いつもお客で一杯じゃないかと反論されます。
確かにその通りです。
ですからそういう店はひらけないものかと考えて、
私たちだって超繁華街に支店をつくるべく
北京中を探しまわりました。
そういう所には必らず喫茶店があります。
でもそういうところはベラボーに家賃が高く、
売上げと1ヵ月に払う家賃を見比べると、
一つ間違えたら家賃も払えなくなるぞと、
ソロバンが教えてくれるのです。


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2010年11月8日(月)

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