中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3896回
家主とのトラブルがもう一つの難関です

コーヒー・ハウスのチェーン店は世界中どこにもあります。
スターバックスだって
まだまだ中国でチェーン店の展開をしている最中だし、
日本人が台湾に展開して途中で逃げて帰った後を引きついだ
上島珈琲店をはじめ、
新しく超安値のコーヒー・チェーン店をはじめた企業が続々と
北京や上海で熾烈な競争を続けています。

うちの連中だって、
人にできることなら僕らにできないわけがないと考えて、
ソロバンをはじきはじき、北京中、候補地を探がしてまわりました。
新しいビルは次々と建っているし、
マンションも林立して北京は大きく様変わりしています。
そのどこに採算に乗る店ができるかは
実際に店をやってみないとわかりませんが、
家賃がベラボーに高い超繁華街はあきらめて、
その次にランクされる外人さんの一番たくさん集まる
有名ブランドのイミテーション店の集まったビルの1階の入口と、
もう1軒は外人のテナントが一番入るだろうと予想される
マンションの入口のすぐお隣りに支店をひらくことになりました。
この2つのうちどちらが成功しても、
似たようなロケーションに店を展開して行けば、
チェーン店ができて行くと、とらぬ狸の皮算用をしたのです。

そして、2年がすぎました。
結果はさんざんな敗北で、
私たちには無理なプランだということがわかりました。
1軒目は警察の監視がきびしく、
従業員が自分の食べるラーメンを冷蔵庫に入れただけで
衛生法違反だと言って罰金を課された上に、
まだ赤字なのに契約期限が来る前に次の家賃はいまの倍だ、
それができなかったら出て行けと家主に言われてしまったのです。
2軒目はそこを所有している家主が病気で入院している間に、
ビルを建てた建設会社がガレージをつくると勝手に決めて
店の前を囲いして人が入って来られないようにしてしまったのです。
お客を集めるだけでも大へんなのに、
中国では家主ともめるというもう一つの難関があるのです。
いや、商売以外のトラブルが次から次へと控えているのです。
中国に進出する人にとって、
注意を怠れないハードルにはくれぐれもご注意を。


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2010年11月9日(火)

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