中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3898回
日本系の百貨店やスーパーから声が

どうせコーヒー屋をやるなら、
スターバックスのようなコーヒー・チェーン店はできないものか、
と支店をいくつかつくったり、
店で売るケーキやパンやクッキーなど
色んな食品を工夫してつくったりしましたが、
結論から言えば、自分たちの手に負えないことがわかり、
支店は次々と畳んで、
北京はもとの三全公寓1軒に逆戻りしてしまいました。

それでおしまいなら、
わざわざこのコラムで書いたりしないのですが、
1からはじまった仕事でもあちらこちら転がしているうちに
どこからどんなコマがとび出して来るかわからないのが
人生の面白いところです。
コーヒー店の支店をつくるとなると、
ショーケースに並べて売る商品を
あれこれ工夫しなければならなくなります。

どこの店にもパンとケーキを並べなければなりませんから、
食パンからアンパン、さてはクロワッサンに至るまで
一通りはつくらなければなりませんし、
ケーキにしても日本でつくっているレベルのものは、
日本からパンの職人にもケーキの職人にも
来てもらっているのですから
一通りの製品は供給できています。
それだけでも北京のほかの店に比べると一日の長がありますから、
パン食に馴れている日本人や韓国、台湾の人たちや西洋人が
噂をきいて集まって来ます。

ですから時間がたつと、お客も少しずつふえて、
店が1軒だけでも何とかやって行けるようになりました。
それにコーヒーも
もともとブルーマウンテンと同じ品種で物はいいのですから
コーヒー豆を買ってくれる人もふえます。
その噂をきいて、とうとうイトーヨーカ堂や天津にある伊勢丹からも
「店を出さないか」と口がかかるようになりました。
それらの店に今までパンやケーキを納入していた
韓国やシンガポールから進出している同業者に比べると、
原料から作り方まで業者から気に入ってもらえる製品が
いつの間にかできるようになっていたのです。
思いもかけなかった方向にうちの店が動き出すことになったのです。


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2010年11月11日(木)

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