中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3908回
マンション投機の借金はなるべく少な目に

資金の過剰流動性によってまともに影響を受けるのは不動産です。
銀行から「お金を借りて下さい」と言われて、
借りたお金で真っ先にやるのは何と言っても不動産だからです。
とりわけ不動産の値上がりが神話になっていた日本では、
不動産に資金が集中し、私のオフィスのすぐそばの青山通りでは
1坪300万円の土地が1億円まで大暴騰しました。

それがバブルのはじけた途端に
1坪1000万円まで値下がりしましたから、
300万円で買った人は大儲けをしましたが、
1億円で買った人はお金が返えせなくなって、
それを抱え込んだ銀行が破産の憂き目を見ました。
ですから、「不動産を買って大丈夫ですか?」ときかれると、
「早い者勝ち」と答えるよりほかありません。

ではどこまでが早い者かということになると、
ブームが過ぎ去って見ないとわかりません。
東京で言えば、
私はマンションを1坪150万円くらいまでは買いましたが、
そこでストップしました。
東京のマンションはその後、坪1000万円まで暴騰し、
マンションではなくて億ションと呼ばれるようになりましたが、
億ションを追っかけた人は返済ができなくなって
競売にふされています。

中国の場合も同じコースを駈け上がっています。
どこで天井を打つかは実際に天井を打つまでわかりません。
皆おっかなびっくりでマンションを買っています。
3割まで自己資金、あとは銀行が融資してくれますが、
自己資金の3割だって
親戚中のお金を借りまくっているのが珍しくありません。
それが一旦、下げに転じたら、
月賦の支払いができない人が大半ですが、
「困るのは私だけじゃない、政府がどうにかしてくれるだろう」
と決め込んでいる人は少くありません。

「だから危いよ」と言ってもきく耳を持つ人はいません。
バブルがはじけない限り「早い者勝ち」が続くのです。
「なるべく借金は少な目に」
というのがせめてものアドバイスということになります。


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2010年11月21日(日)

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