中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3915回
自動車ブームのおこぼれに與る新焦点

啼かず飛ばずの新焦点の株を2年も3年も持ちこたえられた人は
かなり辛抱強い人と言ってよいでしょう。
私は役員を送り込んだ関係もあってじっと辛抱しましたが、
それでも一部の株は処分しています。

その新焦点が自動車のパーツの製造以外に
片手間にスタートした自動車の修理をする
ガレージとパーツの店を次々と拡張してとうとう大小500軒になり、
ずっと資金を食っていたのが
ことしで遂に黒字を出すところまで漕ぎつけたのです。
今年はやっと3000万元の利益だけれど、
毎年、少くとも30%ていどの増益は見込める体制になったことを
私に報告するために
董事長さんがわざわざ東京まで出かけてきたのです。

もちろん、ほかにもオートバックスセブンや
イエローハットの社長さんたちに会う仕事もありました。
オートバックスセブンもイエローハットも
何年も前から中国進出を試み、50店つくる計画だったのが、
逆につくった支店を次々と閉鎖して、
たったの1店舗で息をつないでいるような話でした。
3、4年前は本社に尋ねて行っても部下にしか会えなかったのが
最近はトップに直接会えるようになり、
自分たちのやり方をどう思うかと
じかにきかれるようになったそうです。
日本企業の手に負えないのは、日本企業が駄目なのではなくて、
中国の実情を知らない部下に任せっきりにした結果でしょうが、
次に必要なことはどうやって現地企業と合弁で
新しい事業展開をするかというところまで
こぎつけられるかどうかということでしょう。

というわけで、新焦点もやっと自動車ブームの恩恵を
業績に組み込めるところまで来ました。
日本の株式市場で
オートバックスセブンやイエローハットが達成できた水準まで
はたして中国で到達できるかどうかは私にも予想できませんが、
高速道路はほぼ満杯になりましたから、
次は自動車の修理をする企業に
目を向けていいのではないでしょうか。
というのもこの業種にはライバル企業が少く、
むしろライバル企業の買収と集約によって
新焦点が成り立つようになったのですから。


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2010年11月28日(日)

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