中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3922
川下の業者が川上の事業に手を出したら

私は株を買うのにかなり時間をかけます。
「今日買って明日売る」なんてことは先ずありません。
亨泰だって最近、やっと芽が出てきましたが、
かれこれ2年以上はかかっています。

亨泰は中国語でハンタイと呼びますが、
中国語の発音はハとヘの中間くらいですから、
日本人にはどちらにもきこえます。
ヘンタイと言えば一ぺんで覚えますから、
ヘンタイと呼ぶ人が多いようですが、
証券会社に行って「ヘンタイの株を買って下さい」と言うと
ご自分の方が恥しくなる人も多いようです。

亨泰は食品の輸入を欧米からも、日本からも、
また東南アジアからもやっています。
スタートは広東省の中山市ですが、
広東省のほかに上海、大連と市場をひろげ、
いまや全国の各地の大型スーパーにも
輸入食品を納入するようになっています。
私は上海の基地も中山の基地も訪問していますが、
なかなかスケールの大きなものです。
大連は新しくつくったので上海よりももっと大きいとききました。

その取扱い業務の一つにタイの野菜を冷蔵して
中国まで持って来て売る仕事があります。
仕事量がふえるに従って気がついたことは
何もわざわざタイから輸入しなくとも、
超大現代農業や緑色食品と同じように国内で生産しても
同じだけの利益があがるぞということです。
既に販売のルートができているのですから、
川下の業者が川上の仕事に手を出せば、
その逆をやるよりはずっとスムーズにできます。

そこで先ず江西省に大きな土地を手に入れて
大型農業に着手しました。
農場は1日でできるものではありませんが、
野菜や果物を植える仕事は林業よりはずっと楽です。
2、3年やっているうちに
農場からもかなりの収穫があるようになりました。
私も案内されて農場の現場を見学に行ったことがあります。
でも世界的な金融不安で
取引先からの資金回収が思うようにならなかった時期もあり、
亨泰は業績が低迷する場面にも遭遇しました。
商売、そんなにうまく行くものではありません。
問題はそれをきちんと乗り越えられるかどうかです。


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2010年12月5日(日)

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