中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3923回
亨泰の直売小売店は香港だけで150軒

亨泰(197)は江西省の農場が軌道に乗ると、
江西省の農地を拡張しただけでなく、
更に広東省でも新しく農地を手に入れ、
合わせて5万畝()、1畝は約200坪ですから、
1000万坪の耕地を擁する
大規模農場を経営する体制ができたのです。

農業のことですから工業製品と違って
あれこれと試行錯誤のプロセスが必要です。
それでも農産物の売上げが日増しに増えて、
とうとう2010年6月期の決算で
総売上げの半分をこえるようになりました。
何しろ超大現代農業などの決算を見てもわかるように
農作物の計上利益が売上げの50%にも及ぶのですから
亨泰も今までに考えられなかったような好決算に到達しました。
そのおかげで株価もかつて
想像もしなかった1.67ドルという高値をつけています。

しかし、ここで亨泰の業種が天井を打ったわけではありません。
1000万坪に及ぶ農場は
これからが勝負だし、
もともと食品の卸し商から出発した会社ですから
販売でどれだけの業績をあげられるかに勝敗がかかっています。
卸し商だったのが消費者に直結するシステムを思いついて
香港で直売店をやって見たところ、
たちまち60店舗になって一店舗約30坪ですが
毎月平均香港ドルで100万ドル売り上げるようになったそうです。

案内されて私も現場の見学に行きましたが、
店はあちこちの市場の中にあって威勢のいい声をあげて
客を呼んでいます。
産地直営ですからお客も心が動くらしく、
予想以上の好成績で、「いくら儲かりますか」
ときいたら、「大体2割です」
という返事がかえってきました。
私が見た時は60軒でしたから、
毎月香港ドル約1200万ドルの利益が
現金でプラスされたことになります。
野菜の出来不出来は天候に大きく左右されますが
産地の値が上がったら、
その日のうちに小売値も調整するのだそうです。
そういう店を百軒にすると説明されましたが、
東京へ帰ってきてインターネットを見たら
150軒に訂正されていました。


 畝(ムー)=中国の面積単位


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2010年12月6日(月)

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