中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3928回
時代の波に乗ったユニクロと100円ショップ

国際化の時代になると、
新しい環境をうまく利用して成功した人が
次の時代の成功者の仲間入りをします。
私はそういう人として10年も前からユニクロの柳井正さんと、
100円ショップ大創の矢野博丈さんに注目し、
親しくつきあってもきました。

なぜお二人に注目したかというと、
日本と中国の人件費には10倍どころでないほどのひらきがあり、
同じ工業製品をつくらせたら、日本の3分の1でできたからです。
農産物に至っては10倍ものひらきがありました。
しかし、中国で中国人がつくったものを
そのまま日本に持って来たのでは誰も買ってくれません。

お二人の偉いところは、
日本人が欲しがる物を中国でつくらせて、
それを日本で売ることを実際にやって見せたことです。
どちらもそれこそ三間間口からスタートしたのですが、
何回も失敗をくりかえしながら、
柳井さんは日本一の財産家になっただけでなく、
アメリカやヨーロッパで世界のトップ・メーカーと
競争できるようになったし、
最近では中国や台湾でも最も人気のある
ファッション・メーカーにのしあがりました。

また100円ショップの矢野さんは
道端で1冊100円の商品を並べて売るのからはじめて、
とうとう今では
一番たくさん商品づくりを依頼している中国を除いて、
世界中で1年間に3400億円も1個100円の商品を売った
大商売の総元締になってしまいました。

新しい環境になれば、
古くからあるビジネスが消えてなくなる半面、
必らず次の時代を背負う新しいビジネスが誕生するのです。
もしその通りだとすれば、
ユニクロや100円ショップの黄金時代だって
必らずいつかは過ぎてしまいます。
本能寺の変がなければ秀吉の時代はなかったし、
関ヶ原の大合戦がなければ家康の時代はあるわけがありません。
「栄枯は移る世の姿」と歌にも唄われている通り、
また次の新しい時代が訪れようとしているのです。
では次の時代の新しいビジネスは何になるかおわかりですか。


←前回記事へ

2010年12月11日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ