中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3929回
次の大金持ちは大規模農業の成功者

私は17年前に「太平洋は地中海」と題して
この次はアジアの時代になることを
「ボイス」誌に連載したことがあります。
1冊分の分量に達した時、私は「アジアの勃興」とタイトルを改めて
PHP研究所から単行本として出版しました。

いまその本を読み返えして見ると、
アメリカの時代が終って
アジアの時代になることが冒頭に書かれていて、
日本の産業が発展すると、日本に多数の失業者が出て、
やがて日本の企業の3分の1が日本に居られなくなって
海外に引越しするだろうとしめくくられています。
「しかし、それを日本の終わりと考えるな、
日本人の活躍する舞台が世界に拡がったと思えばいい」
と但し書きをしております。

「国際間の価格差をうまく利用することが
次の新しい富豪を生み出す」と、昨日も申し上げましたが、
ではユニクロや100円ショップの次に
どんな新しいビジネスがあるのでしょうか。
「次は農業だ」と私は考えています。
「まさか」と皆さんは思うかも知れません。
仮りに農業が世界の注目を浴びることがあるとしても、
日本には農地は少いし、農業に従事している人も少いし、
農業に使える農地も既に細分されてしまって
大規模農業のできるスペースもどこにもありません。
そんな日本に農業成金が誕生するわけがないと考えます。

全くそのとおりです。
でも私が17年前に予言した通り
日本人の活躍する舞台が世界に拡がるとすれば、
何も日本人が日本で農業をやるとは限らないのです。
農地なら日本でなくとも世界中ほかの国にいくらでもあります。
ですから、農業で成功したいと思えば、
日本から出て行けばいいのです。
世界中どこでも、
日本人の創意工夫を活かせるところがあればいいのです。
世界一おいしいお米でも、
世界一おいしい桃やリンゴやメロンでも
日本人が行ってつくればいいのです。
なるほどそれなら、日本人でもつくることができます。
そういうことのできる人が
次の日本の大富豪になると私は見ています。


←前回記事へ

2010年12月12日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ