中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3931回
考え直してもどうにもならないのが銅

時代が変わると、陽の当る産業も変わります。
とりわけ工業が発達すれば、国全体が豊かになりますので、
新しい需要が次々と起り、資源の不足を起します。
ですから中国でも来るべき資源の不足に備えて、
着々と資源の獲得と開発に力を入れています。

産業界にブームが起れば、その業界に投資が集中しますが、
供給が需要にやがて追いつくので、
その業界に早時、豊作貧乏が起ります。
農業ならやがて不作にも見舞われますが、
工業的豊作貧乏は相手が倒産するまで続きますので、
生き残った側にもそれなりの傷は残ります。
ですから、私は豊作貧乏をひき起す業界に投資するよりも、
ブームが起ったら供給の不足する分野に目をつけます。
黙っていても需要はふえるし、
需要がふえたらその分だけ値上がりをして
努力しないでも業績が上がることが目に見えているからです。

そうした不足する分野の代表格として、
私は銅と水を採りあげました。
銅は金と違って工業生産に欠くことのできない物資であり、
新しい発見がない限り、現存する埋蔵量では
30年しか持たないと報告されています。
とりわけガソリン車が電気自動車に変わると、
銅の消費量は1台につき3倍ふえると言われています。

ですから只でさえ不足気味の銅の消費量が
年と共に急増することは避けられず、
1トン5万元あまりの銅が倍どころか、
3倍にも10倍にもなることは避けられそうにありません。
その銅を山から掘り出している中国最大の銅山は江西銅業ですが、
私が注目するようになた時は既に15、6ドルになっていましたが、
あッと言う間に26ドルをつけてしまいました。
その後、いくらか鎮静化していますが、
産業界の動向から見て、こんな業種の株は
「高い株ほどよく上がる」典型の1つですから、
ビールの株や情報産業の株の下ということはないでしょう。
もう1社、江西銅業に劣らない動きが期待できる
銅の同業者もあります。


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2010年12月14日(火)

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