中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3933回
中国水務より勢いのよい北控水務

もう一度、水に戻ります。
水の不足は世界中の大問題ですが、
中国では1年に4%ずつ不足すると言われています。
この問題を解決するためには、水源の開発、汚水の再利用、
海水の淡水化などさまざまなやり方がありますが、
中国じゅうどこの都市へ行っても、
このことで頭を悩ましていない書記や市長は1人もいないと言っても
決して誇張ではないでしょう。

そのおかげで、香港に上場している中国水務は
全国各地の市町村長から引っ張り凧の状態が続いており、
私も早くからこの銘柄には注目してきました。
しかし、
元水道局の役人あがりのこの会社の董事長さんは気の多い人で、
どこの水道局も不必要な土地をふんだんに抱いているので、
もと水道局上がりの部下たちから話を持ち込まれると、
断わるどころか、次々と土地の開発に乗り出し、
本業以外のマンション開発による利益が
本業の利益を上廻わる状態が続きました。
現に私たちが現地視察に案内された時も、
水道の施設を見る前にマンション建設の現場を案内されて
苦笑したことがあります。

さすがにそれではしめしがつかないことがわかったのか、
最近では不動産開発会社を別会社として上場させて、
中国水務は専業に精を出すようになって
業績も順調に上昇しています。
しかし、過去の印象がまだ根強く残っているので、
株価の方が
実力にまだ追いついていないと言ってよいのではないでしょうか。

それに比べると、最近、株価が50ドルもする北京控股という
北京市の主要企業の持株会社がありますが、
その傘下にある北控水務の活躍ぶりが
我が目を疑いたくなる華々しい動きをするようになりました。
もともとは他の事業をやっていたのが
2年前から水処理という新規事業を手がけるようになったのですが、
何と昨年と今年の前半期だけで5倍も業績を伸ばし、
利益を4倍もあげるようになっています。
それが今年の後半期は更に大きく業績を伸ばす動きが続いています。
株価こそまだ中国水務に追いついていませんが、
それが一足跳びに追い越す勢いがついているのです。


←前回記事へ

2010年12月16日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ