中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3939回
一流不動産株には再検討の余地が

日本でバブルがはじけて一番ひどい目にあったのは銀行ですが、
それに負けないくらいひどい目にあったのは、
不動産会社と建設会社です。
建設会社は工事を請け負って代金を払ってもらえなければ、
仕事をとめるだけのことで、致命的な損害を受けない筈ですが、
日本の建設会社の場合は仕事をもらうために、
建設資金の世話をしたり、銀行の保証までしたので、
倒産まで追い込まれた会社が2社や3社ではありません。
不動産会社に至っては、
できあがった商品が売れなくなっただけでなく、大暴落をしたので、
債務の履行ができなくなって
銀行の管理下に入った会社がたくさんあります。

ですから、もし中国で似たようなことが起ったら、
銀行の次にピンチに遭遇するのは
不動産の販売会社ということになります。
銀行は実質上、国営みたいなものですから、
いざとなったら、政府が下支えをすることが考えられますが、
建設会社は政府の資本が入っているとしても、
基本的には民間企業ですからそう安心はしておられません。

だからと言って、バブルがいまにもはじけるわけではないし、
実際にその場面に到達するまでに、
まだ不動産も株も2倍にも3倍にも、
あるいはもっと大幅に
値上がりする余地が残っているかも知れません。
そうした空間も勘定に入れた上で、
やがて中国にも起る可能性のあるバブルの発生に備える必要が
来年以降、そろそろ起ってくるのではないかと
最近しきりに考えるようになりました。

そうなると、一流の不動産株は株価の動きに拘らず、
放置しておけばよいという考え方に
少し修正を加える必要があるようになったのではないでしょうか。
もちろん、まだ上昇する余地がないわけではありませんが、
欲の皮に少し修正をして
元手くらいは回収しておいた方がいいのではないでしょうか。
ご自分のお持ちになっている一流不動産株をもう一度、手にとって
次の3年に備えた対策を考えるのはいかがでしょうか。


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2010年12月22日(水)

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