中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3952回
さあ、しっかり手すりにつかまって下さい

香港の証券取引所も昨日からはじまりました。
「1年の計は元旦にあり」と言いますが、
皆さんもそれぞれに、
今年はどんなことになるか、
「とらぬ狸の皮算用」をしていることと思います。

良い知らせはなかなか耳に入ってきませんが、
「悪事千里」と言って、
悪いニュースはどんな遠くからでもすぐ耳に入ってきます。
私たちの周辺でも、
尖閣列島からはじまって、
北朝鮮の砲撃とか、中国の漁船と韓国監視船のトラブルは
次々と起っていますが、
私が一番気にしていることは、
ユーロ圏内で弱体の加盟国が次々と財政困難におちいって、
それが世界景気の回復を遅らせていることです。

何しろ現行の制度では、
弱体な政府ほど借金に頼るようになり、
それをめがけて投機資金が世界中を駆けめぐります。
実際の貿易収支の決済に使われるお金の百倍ものお金が
投機資金として動きまわりますから、
どこの国の中央銀行の総裁もお手上げです。
そこへアイスランドからはじまって、
ギリシャ、アイルランドと続いて、
次はポルトガルじゃないか、
いや、スペインじゃないか、
と噂がとぶと、
世界経済の回復どころか、
アメリカの景気回復は
更に先に延びるんじゃないかと誰でも思ってしまいます。

不景気になったら、輸入が減るのではなくて、
高級品が売れなくなるのですから、
中国のように世界中に安い実用品を輸出している国の商売は
減るどころか、
逆にふえることが考えられます。
そうなると、中国の外貨は益々ふえて、
中国じゅうが人民元の大洪水になって、
過剰流動性による資産インフレと
物価高は大へんなことになってしまいます。

それをこれからの1年、
あるいは2年、3年と中国政府がどういう対策をとるか
ごらんになって下さい。
仮りに思い切った対策をとるとしても、
どんなことになるのか、
想像ができますか。
先ずジェット・コースターからふりおとされないように
しっかり手すりにつかまって下さい。


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2011年1月4日(火)

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