中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3953回
時価発行の3社を訪問したのは偶然です

「次はジェットコースターに乗る番だ」と考えて、
私は年末に投資考察団を連れて北京から石家庄、広州、香港と
次世代の有望銘柄の見学に行ってまいりました。

私が有望銘柄として取り上げた企業は
バブルがはじけても、仕事が減らないで、
毎年、50%から場合によっては倍も
業績や利益の上伸する可能性のある企業のことですが、
その代表としてあげたのが大規模農業に進出した享泰と、
銅のリサイクルで事業の拡大中の中国金属再生資源と
水処理でいま中国水務を追い越しにかかっている
北控水務の3社です。

あと1社はソーセージの皮をつくっている神冠控股ですが、
この会社は1年に倍くらいも増収増益で、
しかも売り上げの半分が計上益になり、
業界でほとんど独占体制ができているので、
大へんな見つけ物でした。
でもこの会社はお金が余りすぎて
国債に投資しているくらいですから、
株価は既にかなりの水準にあります。

ところが、あとの3社はまだオトナの骨格にも達していない
成長期の少年みたいな位置にいて、
「これからの中国を代表する成長株だな」と
同行した人たちも深い印象を受けました。
享泰は株主に無償株の割当を発表したあと、
第三者割当の増資も発表していましたが、
金属再生資源も北控水務も
「これは資金需要の旺盛な企業だな」という印象を持ちましたので
「株主を大事にして下さい。
株価が高いと時価発行には有利ですから」と
アドバイスして帰りました。

向うが説明した勢いで仕事がふえたら、
いまの資金で足りるわけがありません。
金属再生資源に至っては業界最大とは言え、
業界シェアはたったの2%にすぎませんから、
その10倍になるのにどれだけの資金が要るか、
私の頭の中は俄かに忙しくなりました。

そんな思いをして香港まで出たら、時価発行の増資が発表され、
後を追うようにして北控水務も時価増資の発表をしました。
私がすすめたわけではありません。
ちょうどそういう時に偶然に
私たちが会社を訪問したのが真相です。


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2011年1月5日(水)

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