中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3959回
不動産投資している人のバブル対策は?

人民元を切り上げて輸出にストップをかけ、黒字を減らすか、
輸出入のバランスを逆転させて人民元の流通を減らさない限り、
国内の過剰流動性を防ぐことができないのですから、
民間人にできることは、
バブルの崩壊によって被害を蒙らないですむ対策を
どうとるかくらいのことです。

そうは言ってもバブルがはじけるのは今年や来年でなくて、
もっとずっと先のことかも知れません。
そこに至るまでに、
あと何回でもインフレの大洪水に見舞われるとすれば、
不動産だっていまの何倍にも値上がりするかも知れないし、
株だって似たような動きをすることが考えられます。
問題はバブルの崩壊するまでの間に起る変化に
どう対処するかが当面の問題だということになります。

先ずさしあたり気になるのは、
既に倍や3倍に値上がりした不動産が
ことしや来年はどうなるかということと、
株がどういう動きになるかということです。
私自身は20年も前から今日の中国を予想していましたので、
ケ小平の開放政策がはじまると同時に、
北京、上海、成都などの不動産投資をスタートさせ、
それなりの値上がりの恩恵にも浴していますが、
同時に不動産投資の難しさにも直面しています。

大抵の日本人は高度成長期の日本で
不動産がどんな値上がりをしたかを体験していますから、
中国で高度成長がはじまると、
「株より不動産だ」と即応し、
北京や上海でマンションに投資した人も珍しくありません。
しかし、不動産は
自分の住んでいるところに投資するのが安心できるやり方で、
地方にいる人が同じ日本国内の
東京や大阪の大都会に投資するのが限界と考えた方がいいでしょう。
ですから北京や上海で仕事をはじめた日本人が
自分の住むためか、
1軒や2軒、人に貸すためにマンションに投資するのが限界で、
家賃をもらったり、税金の支払いをしたり、
新しい店子を探がしたりするのはとても手間のかかる作業です。
そういう心配をしないですむ物件への投資なら別ですけど。


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2011年1月11日(火)

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