中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3960回
不動産で身動きできなくならないために

比較的早くから中国の高度成長とつきあってきたので、
中国の不動産の値上がりとは早くからかかわってきました。
それなりに値上がりの恩恵にも浴していますが、
不動産の管理は日本よりずっと難しいし、
店子対策も容易ではないし、建物の老化が激しいので
売る時に足元を見られたりします。

しかし、それでも新しく建築される物件には高値がつきますし、
その動きはバブルがはじけない限り続くと見て間違いありません。
ですから今からだって
不動産はまだ買えると思っている中国人はたくさんいます。
私のところで働いている日本人の青年たちも
不動産ブームに乗ってマンションに投資していますが、
「危い危い」とぼやきながらも、
できあがって引き渡しになった時の市価は倍になっています。

ですから今後も同じことが起るかも知れないし、
どこかでずっこけるようなことが起るかも知れません。
と言って「そんな危い橋は渡るな」ととめることもできませんから、
「転ばぬ先の杖、
不動産が半分になってもちゃんとローンが払えるなら」
とブレーキをかけるくらいのことしかできません。

じゃどうすればいいかということになりますが、
私なら不動産株の中で代表的な銘柄を選び出して
皆が駄目だという時に買って
「それッ。不動産ブームだぞ」
と言って株価が倍になった時に売ります。
「そんなことできますか」とわらう人があるでしょうが、
中国の不動産株の値動きを見ていると、
1年のうちに安い時と高い時があって、
高い時は安い時の倍になっているんですね。

もっともいつが安い時で、
いつが高値かはすぎて見なければわかりません。
しかし、それはどんな株についても言えることです。
株の方が不動産よりよいことは、換金が容易なことです。
「いけない」と思ったらすぐにも処分できますが、
実物を買うと身動きできなくなるから
不動産と呼ばれているんじゃないでしょうか。
バブルのはじけた直後の不動産はまさにそういうものでした。


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2011年1月12日(水)

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