中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3961
株の方が不動産よりバブルに強い

バブルがはじけたら、不動産だけでなく、
株価も大下がりに下がります。
最高値の3万9000円から1万を大きく割り、
16、7年もかかってやっと恢復基調に戻りましたが、
いまだに1万のラインをうろうろしています。

でも私が株をやろうかどうしようかと思い惑った時のダウ平均は
たったの1000円だったのです。
それが40倍に上昇する過程で一番儲かったのは
浮沈をしながらも値上がりを続けていまなお高値を維持している
数えるほどの銘柄だけです。

それに比べると地価の値上がりは信じられないくらいの値幅です。
私が直木賞をもらう前に香港から東京に何回か来た時は、
新宿歌舞伎町の地価は1坪がたったの1000円でした。
それが1億円にまで暴騰したのですから
土地と株とでは比べ物になりません。
バブルで10分の1に下がったとしても、
土地は理財をする人の最大の投機の対象であったことがわかります。

反対に下げに転ずると、土地の値下がりは株の比ではありません。
買う人がいないので値がつかず、
借金をしている場合は原本が返せない上に利子も払えなくなり、
本人が倒産するだけでなく、融資をした銀行が共倒れをしたことは
バブルを体験した人なら誰でも知っていることです。l

もし同じことが中国でも起るなら、
被害を受けるのは株の方が不動産より少いと言えるでしょう。
しかし、あッと言う間に半分とか、それ以下に下がることは
成長しているさなかでも起ることですから、
不動産より株の方が敬遠されます。
財産を運営する対象としては
不動産より株の方がずっと難しいのです。

その代わり換金が容易なのと、
不景気の中でも成長する業種がありますから、
ふだんから産業界の移り変わりに気をつけている人は
バブルを避けて通る配慮ができます。
不動産への投資をやりすぎて一生を棒にふった人を
私はたくさん見ていますが、
株をやって破産した人に出会ったことはありません。
金持ちにならない人ならたくさん見ていますが。


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2011年1月13日(木)

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