中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3962回
取りあえずの「火の用心」です

私は
「中国の経済がバブルの発生に向かい、いつかバブルがはじける」
と申し上げましたが、
それがすぐにでも起ると言っているわけではありません。
円高になって1ドルが100円になると予言した時だって
プロの人たちからさんざ笑われましたが、
実際にそうなるまでに9年かかりました。

バブルの発生にしても、もっとずっと先のことかも知れませんが、
いま起っていることがずっと続くと、
中国でもかつて日本で起ったことが
くりかえされると見ているのです。
そこに至るまでに、不動産や株の値上がりがあって
大儲けをするチャンスもまだまだあり得るのですから、
チャンスを逃がさないことも大切ですが、
「転ばぬ先の杖」を用意するにこしたことはないと
警鐘を打っているのだと考えて下さい。

日本でバブルがはじけた時も、一番ひどい目にあわされたのは
財産をたくさん持っていた人たちです。
銀行は財産を持っている人なら担保があって大丈夫だと思って、
借金の勧誘にきます。
目の前で毎日のように不動産が値上がりしている時ですから、
つい目がくらんで借金して土地を買ったら
それが10分の1まで下がって、
借金が返えせなくなったばかりでなく、
担保に入れた自分の不動産さえもって行かれてしまったのです。

その点、中国はすぐに建築にかからないと
土地を国から借りることができませんから大丈夫ですが、
借金してマンションや商業ビルを手に入れることはできます。
それが日本のように10分の1まで値下がりしなくとも、
値下がりの可能性は大有りですから、
いま不動産にむらがって大儲けをしている連中が
最も危い立場におかれていると言ってよいでしょう。

でもそういう人たちは少し前まではすっかんぴんだったのですから、
また出直せばいいじゃないかと平然としています。
となると、一番肝っ玉のないのは
私たち海外からの投資家たちだけだと言うことになってしまいます。
そうは言っても用心深いに如くはありません。


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2011年1月14日(金)

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