中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3967回
成長企業は今が増資のチャンス

ここのところ、
私はずっとブームで生産が拡大する業界の株よりも、
経済が発展したら不足する業界に従事している
企業を取り上げてきました。
私が目につけたのは食糧と銅と水ですが、
偶然のことながら、
3社ともバブルの発生する直前に増資に踏み切って
事業資金の拡張に踏み切っています。

大規模農業で実績をつけはじめた亨泰は
台湾に上場することで資金を調達する予定でしたが、
いくらあせっても「ノレンに腕押し」だったので
急きょ3社の基金に切り換えて資金調達をしたし、
銅と鉄とアルミのリサイクルで
急成長をしている中国金属再生資源は
時価よりやや安い株価で第三者割当に踏み切りました。
また北京控股の子会社である北控水務に至っては
2株に1株の割合で
時価より低い値段で株主に割り当てると発表しています。

私が増資をすすめたわけでは、
もとより、ありませんし、
たまたま大成長をする立場におかれた企業は
かなりの規模で資金調達を迫まられるなと思っていたのが
ほとんど時を同じくして増資に踏み切ることになったのです。
いずれも銀行からの融資に頼らずに、
市場で資金を調達しているのは、
銀行が当てにならないことを熟知しているからだし、
またこれから金融引き締めがはじまるので
旺盛な資金需要を早くやっておかないと
大へんなことになると焦っているということでもあります。

恐らくあまり遠くない将来に
金融引締めは一段と強化されることになるでしょう。
それを見越して増資をいやがる空気もありますが、
増資の発表と同時に逆に買い上げられるということは
これから成長する企業としてプロのファンドや投資家から
認定されているということでもあります。
増資発表と同時に売りが出れば、
ナンピンをしようと私も身構えていましたが、
反対に買いが集中して手も足もでませんでした。
ということはこんな時期に増資を発表して買いの入る銘柄は
これから以後も成長をする企業として
認定されているということになります。


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2011年1月19日(水)

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