中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3968回
いま中国の地方都市に起っている事

いま中国では北京や上海のような大都市の開発に続いて、
地方都市の開発が猛烈な勢いで進んでいます。
地方を代表する都市は各省の省都になっている都市で、
大きいのになると
広州のように人口が1000万人に近づいているところもありますが、
平均すると500万人前後、
更に省によっては人口が2、300万人の地方都市が
3つや4つくらいあるのが珍しくありません。

そういう地方都市が競って町づくりをやっていますが、
一番目立つのは
30階前後の高層ビルをどちらがたくさん建てているか、
その省の書記や省長が先頭に立って采配をふるい、
それぞれの都市の書記や市長が負けじと
町づくりに息せき切っているのです。
何しろ高層ビルはどこの都市に入っても最先に目立ちますから、
何はさておいても高層ビルづくりの競争ということになります。

折りしも輸出の好調によって
人民元が異状な膨張をしている時ですから、
地方では頭金を3割払えば後は政府が積極的にローンの世話をし、
あッという間にマンションが完売になってしまいます。
ついこの間まで1平米3000元でも売れなかったマンションが
1万元にも、都市によっては1万5000元にも
売れるようになりましたから、
地方都市の拡大と共に百姓までマンション住まいが
珍しくなくなってしまったのです。

一口に地方都市と言っても、工業化の進んだ都市もあれば、
観光客の落とすお金を宛てにして暮らしている観光都市もあれば、
何で暮らしを立てているのかはっきりしない地方都市もあります。
一度び開発ブームになると、
どの地方都市でも長屋に住んでいた人たちが競って
タテ屋(私はそう呼んでいますが)に親戚中から借金した上に、
銀行のお金を借りてマンションを買っていますが、
もしこういうところでバブルがはじけたら
どんなことになるのでしょうか。
でも誰も心配なんかしていません。
借金しているのは自分だけでなく、町中誰もが借金していますから、
政府がどうにかしてくれるだろうとタカをくくっているのです。


←前回記事へ

2011年1月20日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ