中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3969回
中国の成金は頭がおかしくなる

輸出が好調で、黒字になった分だけ
毎月のように人民元がふえるのですから、
過剰流動性は防ぎようがありません。
すると、物価は上がる一方だし、
お金はふえ続けますから不動産も株も投機の対象になります。
と言ってもバブルはまだはじまったばかりですから、
どこではじけるかはまだ何とも言えません。
青山通りの地価だって坪300万円が
1億円まで値上がりしたんですから、
中国の不動産の値上がりはまだまだ先かも知れません。
怖がっているよりも、
「早い者勝ち」かも知れないし、
用心深い人の方が儲けのチャンスを逃がすことになることも
大いにあり得ることです。

いまの段階ではブームはまだ続いていますから、
いまのところ中国で一番稼いでいるのは
全国的スケールで
不動産の開発をしている業者と言ってよいでしょう。
北京や上海でマンションや
オフィスビルの開発をしている業者は
平米当り1万元くらいだったのがあッという間に5万元、
1番高いのになると、
10万元にもなってしまいました。

地方都市でいまブームに乗っているマンションを
仮りに1平米1万元で売っているとして、
その原価を計算して見ると、
大体がその半分です。
すると、一棟が3千3百平米(千坪)で
30階建ての建物は、
(中国の場合は廊下を面積に入れて計算するので)
10億元前後で売れることになります。
業者は濡れ手に粟みたいな稼ぎですから、
土地を手に入れるために役人たちと結託したとしても、
5億元近くはふところに入ってしまいます。

一般の人のサラリーが3千元、
比較的高い人でも1万元もらえば恩の字の社会で
一稼ぎ5億元では、
仮にその半分であっても、
精神状態がおかしくなってしまいます。
そういう人は税金もちゃんと納めていない人が多いので、
とても不安がって、
夜もろくろく眠られない日を送っています。
いまの中国では一握りの成金の方が安月給取りより
情緒不安定な日を送っているのです。
その人たちのお金の使い方を見たらわかります。


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2011年1月21日(金)

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