中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3970回
中国最大の成金は不動産屋です

いま中国で一番稼いでいるのは不動産屋さんです。
不動産屋と言っても
不動産の売買を紹介する街の不動産屋さんのことではありません。
政府の役人さんとわりない仲になって安い土地を割り当ててもらい、
そこに20階建とか、30階建のマンションやオフィス・ビルを建てて
売り出している建築業者のことです。

何しろ共産中国では土地はすべて政府のものであり、
そこを50年とか70年とか借りて建物を建てます。
その建物の1室を分譲するのですが、
昨日も申し上げましたように、原価の倍、
もしくはそれ以上の利を乗せて分譲するので、
スケールの大きなものになると
1件で3億元も5億元も儲かってしまいます。
それを儲けに計上するよりは同時に進行する物件に分散して
資産として残す形をとっています。
多分、その方が税金の倹約にもなるし、
財産として手元に残ることにもなるのでしょう。

ですから、北京や上海はもとよりのこと、
地方都市でも建設ブームに湧いているところは
どこも高層建築が林立をはじめると、
そのすぐ隣りに超デラックスの高級ホテルと
アメリカのコピーをしたショッピング・センターが建ちます。
その豪華さと言ったら、
中国の一般の生活レベルを遥かにオーバーして、
ニューヨークの超一流にも負けません。
こんな物をつくって誰が利用するのだろうかと
私は自分の目を疑ってしまいますが、
税金を払う代わりに自分の手元に残すものですから、
リッツやブリストルだって顔負けです。

つい最近も安徽省の省都合肥市に行ったら
大連の不動産業者の建てた超豪華ホテルがオープンしたので、
勉強のためにコーヒーを飲みに入ったら、
アメリカにもないような天井が3階まで届く
大へんお金のかかったロビーにまずびっくりしました。
泊り賃はいくらかと念のためにきいたら
1泊1650元ということでした。
工場で働いている人たちの1ヵ月分の月給が2000元の町で、
一体誰に泊ってもらう積りなんでしょうね。


←前回記事へ

2011年1月22日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ