中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3971回
銀行の次に多いのはホテルです

安徽省の省都合肥市に新しくオープンした超豪華ホテルは
パンフレットに1泊1650元と印刷してありましたが、
工業団地で働いている人たちの月給が2000元ですから、
誰に泊ってもらう積りだろうと私は首をかしげました。
念のためにフロントにきかせたら、
まだオープンしたばかりだから、
今のところ1泊650元でサービスさせていただいております
という返事がかえってきました。

仕事のために合肥市の五つ星のホテルに泊っている
私たちの宿泊代が650元でしたから、
それに右にならえをしたのでしょう。
アメリカの一流ホテルが経営していることになっていますが、
多分、目茶苦茶お金の儲かっている不動産業者が
ありあまる儲けをつぎ込んで建てたホテルの
経営を委託しているのでしょう。

中国人の現地の生活レベルとあまりにもかけ離れているので、
値上げをしたら滅多な人以外は泊らないにきまっていますから、
特別サービス料金を据え置くことになって、
大赤字になることは目に見えています。
それでも本業が儲かっている限り、
不動産業者はそれに耐えて行けるでしょうが、
そのうちに人民元の大洪水で
バブルがはじけるようなことが起ったら、
ホテルを維持して行くことも難しくなります。

皆さんははじめて北京や上海に行くと、
ホテルの数の多いのに先ず一驚します。
町を歩いていて一番多いのは銀行で、銀行の次はホテルです。
中国人はほかに知恵がないので、少しお金が儲かるようになると、
財産を不動産で持つ商売の一つとして
すぐにホテルを建てにかかります。
私の知っている製紙会社も製薬会社も、
社長が私を案内して行ったのは
自分の会社が出資して経営しているホテルでした。
私はビジネスホテルという名前をつけた張本人ですから、
ホテルの採算がどうなっているかよく心得ている積りです。
ホテルは
儲からない商売の一つに数えてもいいのではないでしょうか。


←前回記事へ

2011年1月23日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ