中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3972回
ホテル代の大安売りがはじまります

私が株の勉強をはじめた今から50年くらい前、
ホテルの株は一流の成長株と見なされていました。
帝国ホテルも大阪グランドホテルも、新橋の第一ホテルでさえも、
まだ庶民が自分のマンションさえ持っていなかった時に、
一流のロケーションに立派な建物を持っていたし、
ホテル代は物価の上昇と共に値上げができたし、
不動産が値上がりすれば、
ホテルの資産価値も上がる物と思われていました。
ですからホテルの株価も高くまで買われていましたし、
ホテルの社長の産業界における地位も
それ相応の扱われ方をしていました。

しかし、高度成長が終わりを告げ、
できすぎたホテルが猛烈な競争に曝されるようになると、
赤字にならないために7割の宿泊客を維持するのが容易でなくなり、
やっと客集めに成功したかと思ったら、
すぐ隣りにもっと立派な新しいホテルがオープンして
折角のお客をとられてしまうのが日常茶飯事になってしまいました。

採算が合わなくなって廃業すべく不動産を身売りに出しても、
古い建物は壊わすよりほかなく、
おかげでホテルの株価は下げに下げて
業界全体が斜陽化してしまいました。
それでも旅行者はふえる一方だし、次々とホテルは新しく建つので、
優勝劣敗はホテル業の常識になってしまっています。

中国のホテル業界はまだ50年前の日本のおかれた位置から
それほど成長しておらず、
かなり人気のあったホテルの成長スピードがおちたので、
中国のホテル株の人気が剥げおちはじめたところです。
それに対して成金になりはじめた不動産業者が
資産を維持して行くための手段として
市場レベルを無視した超豪華ホテルを次々と建てはじめたので、
これからホテルの大安売りがはじまるところと見て
いいのではないでしょうか。
中国のホテルのサービスはプロと人真似だけでやっているのとでは、
天と地ほどの差がありますので、
アメリカのホテルが経営を委託されているホテルの
バーゲンセールを探がすといいですね。


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2011年1月24日(月)

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