中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3974
アメリカのショッピング・センターのコピーが大量発生

中国の不動産屋で成金にのし上がった連中が
お金の使い道に困って厖大な投資をしている対象に
超豪華なホテルがあると申し上げましたが、
それと併行して負けずに大金を投じているのが
アメリカ式のショッピング・センターです。

不動産ブームがはじまったのは北京と上海からで、
最近はそれが地方都市にまで伝染して、
「こんな田舎町に
どうしてこんな凄いショッピング・センターがつくられたのか」
と首をかしげさせられるのが地方都市に続々と誕生しています。
アメリカン・スタイルのショッピング・センターが
日本の地方都市に誕生したのはもうかなり前のことですが、
誰の目にも目立つようになったのは
地方につくられた工場が海外に移転をはじめて、
田舎の商店街と少し離れたところに
空地が出来はじめてからのことです。

一番目立ったのはジャスコのショッピング・センターですが、
自社のスーパーのほかにデパートや商店街を誘致して
地方の人たちが車で買物に来るように町づくりをしたことです。
おかげで従来の駅前の商店街が成り立たなくなり、
地方の人の流れが一変してしまいましたが、
その後、地方のシャッター通りが一そう衰微すると、
車でショッピング・センターに買物に来る人も少くなって、
デパートが引き揚げたり、商店街に穴があいたりして
文字通り
「栄枯は移る世のならい」ということになってしまいました。
いま日本ではショッピング・センターだけでなく、
スーパーマーケットそれ自身が存亡の瀬戸際に立たされています。

それに対して中国ではやっと高度成長が第三期に入って、
オリジナル商品の開発と
外国勢のブランド商品が競争に立ち向う段階に来たところですから、
スーパーやデパートの本格的な生存競争は
これからはじまるところです。
そこへいきなりアメリカのショッピング・センターの、
それも超一流のレベルをそっくりコピーしたのが
雨後の筍のように次々と立ちはじめているのです。


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2011年1月26日(水)

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