中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3977回
日本のサービス業にまたとないチャンス

中国の経済発展は日本が欧米の工業化の後を追うプロセスを
もう一度コピーする形で今日に至っています。
「中国人は商人、日本人は職人」
というのが私たちの常識でしたが、
隣人のコピーをすることは中国人の最も得意とするところなので、
中国人は案外、工業向きにできているのではないかと
最近の私は思うようになりました。

隣と同じことをやればいいのだというのは
工業も農業と同じで、
日本人も同じことをやってきたのではないでしょうか。
それを更に中国人がコピーできたとしても
何の不思議もありません。
人のコピーならできるが、
人と違うことをやれというのは、
もっと遥かに難しいことなのです。

日本人が中国人よりすぐれたことがあるとすれば、
工業化で中国人より一歩先を進んだ
ということではなくて、
実情にあった対応の仕方を身につけた国民
であるということではないでしょうか。
商売は下手だと言われていた日本人が
アメリカのデパートやスーパーを真似ることからはじめましたが、
今では日本の実情にあった調整をして、
デパートだって一軒で世界一売り上げのあるデパートを
経営するようになっています。

成都のイトーヨーカ堂や伊勢丹にしても、
抗日デモの標的になっていますが、
それと言うのも、
中国人が一番たくさん買物をするところになっているからです。
商売なら中国の方がうまいと言われていたのが、
成都にある4軒のイトーヨーカ堂は
ヨーカ堂175軒のうち、
3軒が第1位、第2位、第7位の売り上げを占めています。
4軒目はスケールが小さいために
上位から漏れているだけのことです。

して見ると、日本人はサービス業に向いていない
というのは過去の先入観にすぎず、
日本人のサービス精神には
中国人をしのぐものがあるということがわかります。
中国もいよいよこれから消費中心の経済成長が
はじまるところですから、
中国のサービス業は日本人にとってまたとない
チャンスということになるのではないでしょうか。


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2011年1月29日(土)

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