中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3983回
中国人も職人の方が得意なんです

中国人の商売上手が認められて、職人的気質が看過されたのは、
中国人に工業生産のチャンスがなかったからだ、
実は中国人には職人としての才能もあるんだ――
と今は私なら考えます。

この20年あまり、私は中国に日本の工場も、
また日本の百貨店やスーパーも誘致して
あれこれ事業を展開してきましたが、
実際にやって見ると、私たちが先入観として持っている常識と
実際に起っていることが必らずしも一致しないことに
いやでも気づいてしまいます。
日本人は物づくりはうまいが、商売は下手だ、
商売なら中国人の方がうまいから、
日本の百貨店やスーパーが現地に進出しても
うまく行かないのではないか、
と心配しながら企業進出の手伝いをしてきましたが、
実際にやって見ると、話はどうやら逆なんです。

もちろん、工業のなかった所に工場をつくるのですから、
それをちゃんと稼動するところまで持って行くのは
そう簡単なことではありません。
しかし、一通り教え込んで工場で働く人たちが要領を覚え込むと、
あとは油断をしない限り、ちゃんと工場は動いて行きます。
それどころか、
たちまち新しく覚えたことのコピーがはじまりますから、
工場で働いていた人がすぐ隣りに移って
そっくりさんの生産がはじまります。

本田のオートバイが売れはじめると、
HONDAのローマ字が一字違っただけのそっくりさんをつくって
本田の半額で売りはじめるのです。
最初は似ているのは外観だからとタカをくくっても、
しばらくすると性能もさして変わらない物ができてきます。
頭に来た日本のメーカーは裁判に訴えたりしますが、
本田の場合は相手の会社をそっくり買い上げる挙に出ました。
それで片がつくと思うのは早合点で、
コピーは次々といくらでもできて行くのです。
パワーショベルのような技術力の要求される分野だって
今や中国産が次々と抬頭しています。
ですから、そう簡単には真似されまいとタカをくくったら、
とんでもないことになってしまいます。


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2011年2月4日(金)

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