中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3985回
超豪華ホテルとセンターは節税対策です

地方都市に次々とオープンした
大豪華なショッピング・センターを見てまわって、
あまりに一般庶民の財布の中身とかけ離れているのに驚いて、
どうしてこんなことになったのかと謎ときをしているうちに、
豁然大悟してハタと手を打ちました。

これもつい最近、
温州とか、桂林とか、合肥とか地方都市を訪問すると、
今までの市内とかけ離れた郊外の新興住宅区に
新しくできたホテルに案内されることが多くなり、
中に入るとその豪華でお金のかかっていることに
何回も驚かされました。
誰がこんなもの建てたんだときくと、
大抵が同じ地域で不動産の開発をしている新興不動産会社です。
最近になって改めて気づいたことですが、
同時に誰も買物をする人のいない超豪華なショッピング・センターも
同時につくられています。

その時はどうしてそんなものができたのか
意味がわからなかったのですが、
全国的に同じ動きが同時に起っているのを見て、
「あ、これはバカ儲けをしている不動産会社の節税対策なんだな」
と漸く気づきました。
安く土地を仕入れて軽普請をして2倍にも3倍にも売っているのでは
所得税だけでも大へんな負担になります。
それを軽減するために、超デラックス・ホテルと
超デラックスショッピング・センターの建築費を負担させて、
会社に残す建築物の方はうんと安くつくったことにするための
魔術だったのです。

手元に残したホテルとショッピング・センターも、
もとはと言えば自分たちの手に負えるものではありません。
ですからその経営は世界的に有名なホテル企業に任せたり、
別会社に経営させます。
でもそれが今の人たちの
負担能力に合わないことは目に見えているので、
やがて重荷になるでしょうが、
大儲けをしている今の時点では
まだ大きな負担にはなっていないのです。
負担にはなっていないけれど商売にはなりませんので、
産業界には別に大きな穴が明いてしまいます。
中国ではこの穴を埋める必要が起っているのです。


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2011年2月6日(日)

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