中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4003回
いよいよ時代の変わる所に来たのです

テレビができたのもついこの間のことだと思っていたのが、
私のように90歳に近い老人でさえ
iPadを持って海外旅行に行く時代になったのですから、
若い人の新聞やテレビに対する感覚が
時代と共に大きく変化して行くのを防ぐ方法は先ずありません。

私の若い頃は、
新聞がその社会的影響力を
テレビに譲って行くプロセスをつぶさに見てきましたが、
まさか印刷物が次々とテレビ、パソコンにとって代わられ、
昨今のように斜陽化するとは思ってもいませんでした。
印刷物の全盛時代の最後の半世紀を
活字とつきあって生きて来たことになりますが、
自分の書いた物でもパソコンを叩けば、
10年前の著作でもすぐに目の前に現われる時代になっても、
印刷物にして見ないと気がすまないのは、
こちらも過去の遺物になりつつあるということでしょうか。

現役作家をつとめていた間は、
私も仕事を山ほど抱えていたので、
原稿を担当してくれた記者たちとつきあっている時間がとれず、
やむを得ず1年に1ぺん年末に
邱番会という世話になった記者を集めて
ご馳走する会をひらき、
100人をこえる雑誌記者、新聞記者、
ラジオ・テレビ記者に一緒になっていただきました。
最近は私が現役から一歩後退して
年寄の仲間入りをしたこともありますが、
ほぼ時を同じくして出版業界も淘汰される時期に入り、
毎年、正月にもらう挨拶状は出版社を退職した知らせと、
ご主人が他界したという奥さんからの
挨拶状ばかりになってしまいました。

まあ、これで一生が経っても仕方のないことですが、
出版社はどこまでもつかという長生き競争をする積りでしょうか。
私は台湾で一番売れる経済雑誌に仕上げた「財訊」という雑誌も
創弁人という名だけを残して後輩に代わってもらいましたが、
13軒あった永漢書局も台北と高雄に一軒ずつ残って
辛じて息をついているところです。
こんな時は過去にこだわらずに、
潔ぎよく足を洗うのにも、
思い切りと勇気が必要ですね。


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2011年2月24日(木)

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