中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4046回
資源産業に注目すべき時代に

私は人より少し早く世の中の変化に気づく方なので、
アメリカがおかしくなって、次はユーロの加盟国の中から
財政的にピンチにおちいる国が出て来て、
他所の国のことなんか
かまっておられなくなるだろうと思っていたら、
次はパソコンに大きくゆすぶられて、
中近東の独裁者や王様たちがまっ青になるところまで
追い詰められる動きになってきました。

こうなると、次に陽の当るのはBRICsというよりも、
いわゆる新興国の中で治安にあまり問題がなく、
少しずつでも経済が
成長過程に乗りはじめた地域に注目する必要があります。
その先頭を切っているのは、もちろん、中国ですが、
その後にインドとブラジルが続き、
次はアフリカの中で
開発が少しずつ軌道に乗りはじめた国々ということになります。

これらの新興国に陽が当りはじめて工業製品が売れはじめると
何しろいずれも人口の多い所ですから、
たちまち資源の不足が目立つようになります。
石油や石炭はもとより、鉄もアルミも、
ましてや銅やニッケル、タングステン
さては、稀土に至るまで、
資源の不足が目立つようになることは目に見えています。
日本の工業が発展しはじめた50年前は
先進国相手の商売でしたから、
量より質の時代で金さえ出せば、
原料になる物資はいくらでも手に入りました。
その時の原料調達がスムーズだったことが頭にありますから
日本人は資源の開発には無関心で、
稼いだ外貨は専らアメリカに持って行って
国債を買って利息稼ぎをやってきました。
でも中国の工業に陽が当るようになると、
人口が日本の10倍もある国ですから
資源の確保が最重要テーマになりました。

この2、3年は世界的な金融不安のせいで、
中国内でも資源に対する需要が一時的に減少して、
資源産業はピンチに見舞われましたが、
昨年あたりから市況は着実に恢復をしはじめ、
恐らく今後も続いて上昇気運に乗るのではないかと見ています。
私が水や銅や稀土に着目するようになったのはそのせいですが、
業者が自分らの事業の将来をどう見ているか、
現場の声をききくたなったのです。
ニッケルやタングステンの鉱山まで
押しかけるスケジュールを組んだのはそのためです。


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2011年4月8日(金)

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