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第4061回
NHK取材班「アフリカ」のご一読を

先日、私は内田樹さんの「街場の中国論」
という本のご一読をおすすめしましたが、
続いて今日は「NHKスペシャル」取材班の人たちが
取材のためにアフリカのあちこちで出会った
新しい動きを文章にした
アフリカ─資本主義最後のフロンティア」(新潮新書740円税別)
を是非読んでいただきたいと思って筆をとりました。

私はアフリカには三回しか行っていませんが、
いずれももう20年以上も前のことです。
マダガスカルには4年ほど前に行きましたが
マダガスカルの人は自分たちはアフリカに所属している
というよりも、アジアの最西端に位置している
と考えているようです。

最近は皆さん、ご存じのようにエジプトをはじめ、
中近東の回教の国々で従来の独裁者や
王国に不穏の動きが次々と起って、
決着はまだついていません。
何がそういう動きをもたらしたかというと、
どうやらパソコンと携帯電話の普及に端を発しているようです。

この本にも中国人技術者たちが
携帯の中継基地を設置する話が出て来ますが、
携帯が普及したおかげで遠くまで出稼ぎに行っても
瞬時に家族と連絡ができるので、
出稼ぎに行く人がふえ、
それがアフリカの新興国に資源以外の
新しい富をもたらす動機になっていることがしたためられています。

かつてアフリカを植民地として支配した
ヨーロッパ帝国主義の時代は去って、
いまアフリカの経済開発に力を入れているのは中国とインドです。
リビアに内戦がはじまって生命に危険を感じた中国人が
一せいに引き揚げと国外退避をはじめましたが、
何とリビアだけでも中国人が3万5千人も働きに来ているそうです。
その緊急避難のために、
中国政府は専用機を派遣しましたが、
これを見ても今、アフリカ全体で働いている人が
100万人に及ぶことがわかります。
それに比して日本人はどうでしょうか。
新聞社やレテビ局の派遣社員を加えても1000人いるでしょうか。
これで日本の国際化が進んでいると言えるでしょうか。


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2011年4月23日(土)

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