中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4062回
次の時代は先ず資源の確保から

福島で原子力発電所が事故を起すと、
世界中の報道機関が大々的に詳細の報道をします。
日本人はいくら危険でも逃げ場がありませんから、
政府は人々を安心させるために控え目な情報を流します。
私は地震発生の時、たまたま北京にいましたので、
テレビも新聞も中国と香港の報道ばかりで、
かなり大袈裟なニュースを次々ときかされました。
びっくり仰天した研修生やコックや貿易省が
とる物もとりあえず逃げ帰ったとしても異とするに足りません。

今や世界中の人が世界のどこで働けば自分が職を得、
家族を養って行けるか選択する時代になったのです。
そういう意味では日本人も日本の企業も世界市場を頭に描いて、
どこに自分の仕事場をおくか考える必要がありますが、
日本人は自分たちの生産基地を海外に移すことに慎重なだけでなく、
そのための資源の確保にそれほど熱心ではありません。
資源より生産技術の方が重要で、
お金さえあれば資源はいくらでも手に入ると思い続けているのです。

日本が工業化の成功によって
世界の一等国にのしあがった時代は
主な取引先が世界の先進国でしたから、
資源の確保はそんなに難しくありませんでした。
それが今や所得の増大は中国を先頭として、
インド、更にはアフリカという新興国中心にはじまっているので、
資源の確保が先決で、
そのことを中国企業はスタートの時点から頭に入っています。
輸出によって外貨が貯まりはじめるし、
アメリカの国債を買って利息を稼ぐより
どうやって資源を手に入れるかに熱中するようになったのです。

それが2兆5,000億ドルも外貨準備ができて行く過程で、
アフリカや中近東に投資する動きになり、
胡錦涛国家主席が先頭に立って
アフリカの国々のトップを北京に集めるだけでなく、
公共投資にも大盤振舞いをするようになったのです。
NHKスペシャル取材班の書いた
アフリカ」という本をお読みになれば、
日本はこれでいいのかと首をかしげたくなるのではないでしょうか。


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2011年4月24日(日)

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