中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4063回
今回の考察団で訪問した先々

今回(第69回)投資考察団では都合4社の企業を訪問しました。
うち1社は非上場の不動産業者ですが、
上場企業は北京の北控水務、
泉州に工場のある金保利という太陽エネルギーの会社、
そして、一番最後はいま投資家たちの最大の関心を集めている
永保林業です。

ほかに皆に是非見てもらいたかったのは、
折角、泉州、廈門まで来てもらったのですから、
航海の神様媽祖の総本山である湄州島にある媽祖廟と、
永定にある客家土楼でした。
ご存知のない方が多いと思いますが、
この一帯は台湾、フィリピン、シンガポールも含めて
6千万人にも及ぶ華僑の発生の地であり、
清朝時代は渡航禁令を破ってこの土地の人たちが
夜陰にまぎれて海外に脱出して大をなしたそもそもの故郷なのです。

今なら携帯電話を手にとるだけで、
どこで台風がまき起りそうかわかりますが、
昔は戒克船に乗って生命賭けで海外に渡ったのですから、
空を見ただけで嵐の予想のできた媽祖さまが
生命の綱だったのです。
のちに船出は一か八かの賭けでなくなりましたが、
媽祖は海外で働く華僑たちの守護神になり、
全世界で何と5000に及ぶ媽祖廟ができました。
旧暦の3月23日が媽祖の誕生日なので、
全世界にある支店(?)からお祝いに
廟守や信者が行列をなして総本山に駈けつけます。

何しろ大陸と台湾が睨み合いをしていた時でも、
媽祖の誕生日というと
禁を犯して台湾の漁船が100隻も
列をなしてお参りに来たところですから、
これから海外に飛躍する日僑候補生にも
是非一ぺんは見てもらいたいと思ったのです。

もう一つの客家土楼は「客家」という
日本で言えば「平家の落武者」にあたる他所者が
移住先で敵から一族を守るために築いた円家の土楼です。
鄧小平もシンガポールの李光耀も台湾の李登輝も、
そして、ついでに私の父も客家の出身です。
私も李登輝さんも日本語はできても多分、客家語は喋れませんが、
皆に一ぺん私の父の古里を見てもらいたいと思って、
廈門から3時間もバスに揺られて見学に行ってもらったのです。


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2011年4月25日(月)

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