中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4066回
思惑はずれても辛抱、辛抱

北控水務は増資を発表しても、
株価は衰えを見せず、
権利落ちしてもそれなりの高値を維持し続けました。
ところが、2010年度の決算が発表されると、
前年比売上げも266%ふえ、利益も165%ふえているにも拘らず、
無配にすると言うではありませんか。

どんな株でも増資をして権利落ちをすると
株はある程度、売られます。
そこを買う人もあって、新しい展開になりますが、
これだけ業績の良い会社が無配では失望売りが出るのも
不思議ではありません。
東江環保もそういうやり方をして
株価は低迷する方向に向っていますが、
北控水務のようにこれだけ勢いのよい会社が
同じやり方をするのはどうしてでしょうか。

そう考えながら、
考察団を連れて北控水務の北京本部を訪ねました。
副総裁の周敏さんと財務担当総経理の于立国さんが
臨席して会社の近況と将来の計画について説明してくれましたが、
「なぜ配当しないのですか」という参加者の質問に対して
「本当は配当も予定に入っていたのです。
でもその直前の増資で資金の調達をして、
そのすぐ後に配当をすると、
増資資金を配当にまわしたと受け取られるから、
やめた方がいいと意見されて、
今回は思いとどまったのです。
でも来期は必らず配当を致します」
という返答が帰ってきました。

そうは言っても株主になった投資家の大半は
配当の有無にこだわりますから、
当分の間、株価の低迷は避けられないでしょう。
しかし、経営者のそうした意向も頭の中に入れて、
北控水務の将来をどう見るかということになると、
投資家の関心が他の株に向い、
あまり相手にされない時が株の買い時ということになります。
私の場合はそんなに器用に動く自信がありませんので、
ジッと辛抱することになりますが、
どこで水源の確保が国家の最重要産業の1つとして取り上げられ、
公共予算とかかわりがあるようになるかは
今の時点ではわかりません。
それでも長期的に見れば
水処理が成長産業のトップを争う位置にあることに
間違いはありません。


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2011年4月28日(木)

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