中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4090回
中国のレストラン業界に割り込むチャンス

上海や北京でも日本料理は
中国人の間に定着しはじめたように見えますが、
その土地に定着するためには
その土地の人たちの好みに合うことが大前提です。

ですから、トロを好む人もあれば、トンカツを好む人もありますが、
一番普及しているのは日本風のラーメンで、
その次が肉料理じゃないでしょうか。
ラーメンも焼肉も、それからカレーライスも、
もとを言えば、よその国から日本に入ってきたものですが、
日本であれこれ工夫されているうちに、
日本を代表する食べ物になってしまいました。

今日では吉野家もサイゼリアも
中国あちこちにチェーンを展開中ですが、
一番勢いのよい味千は日本式ラーメンです。
ですから日本料理をそっくり中国に持ち込むよりも、
中国人が食べたがる日本式に改良された
もとから中国にある食べ物というのが
トップになるんじゃないでしょうか。

かつてベニハナの包丁すりあわせで人気を呼んだ日本のステーキが
アメリカの各地で大流行したことがありましたが、
あれは日本料理というよりは、
日本スタイルのアメリカ料理だからハヤったんだと
私は言ったことがあります。
あれと同じことが中国でも流行しはじめたのですから、
ラーメンにしろ、牛丼にしろ、
あるいはスパゲティとか、焼肉にしろ、
日本スタイルの中国人の好きにあった食べ物を持ち込めば、
中国で大人気を博する可能性があると思います。

その上に何と言っても、
お客に接する時の日本人のサービス精神です。
いま中国では人手不足につけ込んだ労働人口の大移動が
中国中のサービス業を痛めつけているところです。
オーナーを除いて、マネージャーからコックからさては皿運びまで
僅かな賃上げを狙って大移動がはじまったところですから、
お客も新しい店を探しています。
ですから、お店にとっては新しいお客をつくる
またとないチャンスでもあります。
食べ物屋を中国でやりたい方は
この機会にその中に割り込んだらいかがでしょうか。


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2011年5月22日(日)

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