中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4108回
家族会社をつくることが頭にあったので

「税金のことなら大目に見てあげましょう」と
税務署に言われているのに、
「税金払うとしたら、いくら払えばいいのでしょうか」
とききかえす人なんていないと思います。
でも私がききかえしたのにはわけがあります。

大抵の納税者は目前の納税のことばかり頭にありますが、
私は子供が大きくなったり、
私自身が将来、死んだ時のことまで頭に入れて
税金のことを考えます。
私ははじめて株でお金が儲かってビルを建てる時、
1回自分の名前で土地を買いましたが、
その時は将来、自分が年をとって
原稿が売れなくなった時に備えることばかり頭にありました。
しかし、途中で、もし自分がもっと売れッ子になって
莫大な収入があるようになったとしたら、
その上、更に年600万円の家賃が加わった場合、どうなるのかと
逆の場合のことが頭に浮んで来ました。
その時こそ重税にあえぐようになるんじゃないでしょうか。

そのことに思い至ったので、
私は不動産の収入を個人の収入と分離して、
家族会社にした方がいいんじゃないかと考えなおしました。
ただ子供たちはまだ小学校にも行っていないような年齢でしたから、
株主にするわけには行きません。
そこで知り合いの弁護士さんの所へ相談に行ったら、
「子供さんが成人するまで私が名義人になって
株を預ってさしあげましょう」と言われたので、
一ぺん、税金を払って個人名義にした土地に、
もう一ぺん税金を払って家族会社の名義になおしたのです。

ですから財産をつくる前から将来、大きな財産になった時、
所得を分散したり、相続をする時のことまで考えて
予め手を打つことを忘れなかったのです。
税務署から子供名義の株について問い詰められた時も、
いま税金を払って子供名義にしておいた方がトクか、
それとも死んだ時に子供に相続させた方がトクか、と考えて、
贈与税を支払う方を選んだのです。
将来、家族会社の増資をする場合、
子供たちの出資金はどこから来たかきかれても
ちゃんと返事ができるようにと思ってのことです。


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2011年6月9日(木)

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