中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4124回
「休むも相場」とは家で勉強をすること

しばらく株の話をお留守にしている間に、
香港株も沈滞ムードにおされて
動きがとれないようになっています。
一番大きな原因はアメリカをはじめとして、
ヨーロッパも日本も不況からの恢復が遅く、
この調子では当分ピンチが続くのではないかという観測が
支配していること。

もう1つはバブルの発生を極端に怖れている中国の当局が
金融引締めを一段と強化して
不動産への融資をさしとめているだけでなく、
公共投資さえ押えにかかっていることが
株価にまで影響しているのではないでしょうか。

じゃこれからどうなるかということになると、
中国の高度成長はまだ終っていないので、
依然として7%〜8%の成長は続くけれども
次の発展のために産業界をリードする
主役が変わると見ていいのではないでしょうか。
日本の場合は国内市場の成長からスタートして
それが輸出の拡大に動いて外貨を稼ぐようになりましたが、
中国はその逆に外貨への導入からスタートして
輸出を優先させて今日の成長をもたらしました。
2兆ドルに及ぶ外貨を稼ぐことによって国内がインフレになり、
先ず不動産ブームを巻き起しましたが、
それに続いて物価高が避けられなくなっています。

それが生活に不安をもたらすことに相場に神経質になって、
政府は金利の引き上げを中心に
物価の押え込みにやっきになっています。
その根本的な原因が急増する外貨に起因していること。
それを是正するためには
人民元の引き上げをする以外に方法がないこと、
それを嫌でも認めざるを得ない所まで
次第に追い込まれてきているのです。

そのへんの手加減を間違えると、
風船がふくらみすぎて破裂しますから、
これからが腕の見せ所ということになります。
それまでは「本日晴天なり」ということにはなりませんので、
当分は曇の空が続く覚悟が必要なのではないでしょうか。
但し、こういう時こそ次の相場に備えて
勉強勉強ということになります。


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2011年6月25日(土)

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