中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4141回
中国でも「毎日が新しい日」なのです

コーヒーの町保山市の官房大飯店に1泊してまた昆明市に戻り、
邱公館珈琲の店のある翠湖賓館に1泊して、
雲南省でも最も羽振りのよい
煙草公司のトップのご馳走攻めにあった後に、
昆明から成都にとびました。

成都には私が建てたイトーヨーカ堂と伊勢丹のビルがあり、
何かというと対日デモが行われるところですから、
飛行場には一分隊以上のお迎えがあります。
今回の視察旅行は向う10年、
中国の産業界に起る変化を想定して、
主として大規模農業と食品加工の可能性を考える現地視察ですから、
中国でこれから大規模農業を手がける現地の少壮事業家たちと、
また肉のハナマサの小野博さんも同行していただきました。

食品の流通ではイトーヨーカ堂と伊勢丹に一日の長があり、
なぜデモをかけられるほどお客が集まるかを
確めるための旅行でもありますから、
私の秘書や現場の責任者もぞろぞろついてまわっています。
しかし、もう一つの目的は
今後の食糧不足にどう対応するかということですから、
台湾企業が成都市郊外で新しくスタートした
大規模農場の現場見学もスケジュールに入っていました。

私たちのレストラン・チェーンは主として成都で展開しており、
店のスケールは日本と違って一軒で200人も席があるので、
5軒や10軒でも、材料をどこから仕入れるかが
真剣な問題になります。
隣の省から仕入れるとなると運賃だけでも大問題になりますから、
産地まで1時間くらいで
行けるところはどこだという問題が起ってきます。
とりわけレストランの隆替はきびしく、
私が開発を頼まれて成都入りをした10何年前、
四川省長さんや成都市長に招待された店は
いま一軒も残っていないのですから。

そういうなかで生き残りを図ろうと思えば、
「毎日が新しい日」という心がけで対処しなければなりません。
そうした目で見ると、
成都一お客の入るビジネスセンターをつくったからと言って
胸を撫でおろしているいとまなんかないのです。


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2011年7月12日(火)

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