中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4149回
不動産の値下がりと食糧の暴騰

1ヶ月も東京を留守にして中国じゅう飛びまわっていると、
さすがにバテテしまいます。
新しい工場や企業や農場の現場に案内された時は
好奇心も手伝って疲れは覚えませんが、
一番しんどいのは何と言っても盛大に食事に歓待される時です。

大抵の場合、相手は社会的に地位のある人だし、
好意をもって盛大にもてなしてくれますから、
全く杯を傾けないわけにも行きません。
中国の場合は、相手がわざわざご馳走をこちらの皿の上まで
運んでくれますから、全く箸をつけないわけには行きません。
それにしても最近の中国の宴会のご馳走は盛大すぎて、
20何年前、中国で何百万人もの人が餓死したなんて
想像もできない天国と地獄の差が生じてしまいました。

それを毎日毎日、続けたせいで、さすがの私も東京へ戻ってきて、
4、5日は箸を休ませるよりほかありませんでした。
その半面、これから10年の間に中国で起り得る
さまざまな経済現象、社会現象が頭にこびりついて離れないので、
夢の中でさえ「もしもしQさん」の続きを頭の中で描いています。
さしあたり、もし何らかの拍子に、
中国で不動産が2分の1か3分の1に大暴落したら
どんなことが起るのだろうか。

少々の値下がりなら、
「なあに、そのうちにまた戻りはじめるさ」と
買いに入る人もあるでしょうが、
ドスンと音のするような値下がりになったら、
買いの手は一せいに引っ込んで
売り一色になってしまうのではないでしょうか。
いや、あるいは日本のように買手がないままに
ズルズルと10年も値下がりが続いて
気がついて見たら不動産の値段が
10分の1まで値下がりするようなことが起るのでしょうか。

どうなるかはわからないにしても、
不動産の供給がほぼ飽和点に達して、
不動産の値下がりと過剰流動性と
賃上げによる食糧不足を中心とした物価上昇が
入り乱れる可能性が大きいのではないでしょうか


←前回記事へ

2011年7月20日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ