中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4150回
次の十年は「食」が最大のテーマです

この1ヶ月間、中国じゅうあちこちとびまわり、
地方都市の移り変わりを見ながら、
これからの十年、中国はどんな変わり方をするのだろうかと
考える旅行をやりました。
その結果、私の頭に残っていることは、
建設業者とお役人が結託して
一大マンション・ブームをもたらした
不動産ビジネスはほぼ終わって、
その後片づけも必要ですが、
入れ代わりに消費ブームが経済の落ち込みをカバーして、
デフレにはならずにインフレが続き、
食糧不足が政府の最大のテーマになるんじゃないか
ということでした。

日本の場合だって、バブルがはじけて不動産が大暴落して
16年間も不況が続きましたが、
消費はそんなに落ち込んでいません。
高価な贅沢品が売れなくなって、
半額の衣料品にとって代わられましたが、
3度のメシが2度になるわけではありませんから、
日用雑貨が売れなくなる心配はありません。

本当に日本の消費が下火になったのは
むしろそれから10年もたった21世紀になってからで、
人口の老化がすすみ、
定年で職を去る人が年々ふえるようになったからです。
定年退職をすると、
収入の途がふさがれるので、
人はお金を持っていてもお金を使わなくなります。
老人はお金をふやすことには興味を持ちますが、
お金を使うことにはきく耳をもたないので、
日本では老人のお金をだます商売がこの10年、
一番繁盛しています。

それに比べて、
中国では年齢の構造がまだそこまで達しておりませんので、
不動産によって痛めつけられる場面があっても、
賃上げによって消費はまだふえる方向にありますから、
国内消費が不動産の値下がりによる損失を
かなりカバーできるのではないでしょうか。

現に過剰流動性が完全にとまらない限り、
消費はふえ続けますから、
その中でも食品の高級化と需要の増大は続くと見るべきです。
どう考えても「食」が最大のテーマだというのが
私たちの得た結論でした。


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2011年7月21日(木)

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