中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4205回
中国の地方の不動産と銀行には用心・御用心

アメリカの金融ショックは不動産を買うだけの収入のない人に、
金利や償還を更に延ばすシステムを採用したことで
生じたものですが、
それだけの値打ちのない不動産を
高値で売りつけた無理がたたったことになります。

中国の場合も、まだそれだけの収入のない人に、
将来の収入から支払われることをあてこんで、
マンションを売り込んでいます。
アメリカと違って、中国はまだこれから経済も発展するし、
庶民の収入もふえる方向にありますから、
長期月賦払いの債務が払えなくなる人ばかりではないでしょう。
それでも今後の金融引締めの動向次第で、
日本のようにバブルがはじけて不動産が大暴落したら、
これらの長期債務が不良債権化するかどうかはまだ未知数です。
仮りに不良債権化するとしても、
中国は日本と違って大半の銀行が国営ですから、
銀行が日本のように倒産するとは限りません。

そのへんのところは未知数ですが、
どうして中国でこんなに借金をしてでも
マンションを買う人が多いかというと、
未来の買物を借金で手に入れて値上がりしてから返済する
これまた「欲張りの精神」が基本になっているのです。
お金がなくてマンションが買えないうちに、ここのところ、
マンションは見る見る2倍にも3倍にも値上がりしています。
それなら、頑張って先に借金をして
マンションを手に入れておれば借金は目減りをして
マンションは値上がりするのではないかという目算が
マンションを買う人の頭の中で働いているのです。

はたしてその通りになるかどうかは誰にも何とも言えません。
しかし、お金を借りている人はあまり心配していないようです。
借りているのは何も自分だけではない。
全国にこれだけ一杯いるのだから、
政府がどうにかしてくれるだろうとタカをくくっているのです。
そう言われて見れば確かにその通りで
私にもどうなるのか見当がつきません。
でも銀行株には近づかない方がいいのでしょうね。


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2011年9月14日(水)

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