中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第4212回
株の話をする時、私はとても慎重です

私が株の話をする時は多くの人に影響をあたえるので、
人一倍慎重になります。
この株はいいから、いくらいくらで買いなさいと
すすめたことは一回もありません。
今日買っていくらいくらになったら
売りなさいと言ったこともありませんし、
まして人にすすめておいて
高値になったら自分は売り抜けると考えたことはありません。

そんなやり方をして株で金持ちになった人を
見たこともありませんし、
自分がそういう先例をつくろうと考えたこともないからです。
ソニーとホンダは戦後の日本を代表する成長株ですが、
株の名人でソニーやホンダの株を売買して、
ソニーやホンダの社長さんたちより
金持ちになった人は見たことがありません。
ソニーやホンダの社長は
何回も景気不景気の波をくぐり抜けていますが、
社長をやっている以上、ピンチのさなかでも
自社株を売るに売れずジッと持ちこたえたからです。
ですから中国株をやる場合でも、
どこの株が成長株であるか探がして来て、
それを辛抱強く持ち続けるのが
株で大金を儲けるコツだと私は思っているのです。

その私が1068の雨潤食品を
いくらで買ったら大丈夫だと言うことは先ずありません。
1年に2,500万頭もの豚を屠殺する雨潤が
中国最大の豚肉業者であることももちろんよく知っているし、
南京の本社まで工場見学に行ったこともあります。
これから豊かになる中国人が
豚肉や牛肉や鳥肉や卵にもっと目を向けるようになり、
従って雨潤を成長産業の中に加えることにも異存はありません。
1株30ドルもしていた雨潤の株が衛生上の事故とか、
豚肉の暴騰によって規制の対象になって、
株価が半値まで売られたことももちろん、よく承知しています。
それをチャンスと思う人がいたとしても
少しも不思議ではありません。

でも私がそこにちょっかいを出さない理由があるのです。
それは私が株を買う皆さんと違って
かつて台湾で日本の企業に頼まれて台湾健康食品という
豚肉輸出会社の取締役会長を10年も勤めたことがあって、
プロの眼でその業界を見ているからです。


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2011年9月21日(水)

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